国語の学習者は亡羊の嘆に暮れやすい。何故なら全く同一の問題に対して示される模範解答が塾や講師や参考書によって全然違うからである。大抵いずれの解説者も「国語は論理的に解くものだ」と謳ってはいるのだが、もし「論理的」に解くことを前提とするならば、数学と同様に、同一問題に対する答は一種類に定まるはずであろう。
それでは、なぜ国語においてはこのように多種多様な模範解答が存在しているのか。
それは解説者によって「何を以て満点とするか」の基準が異なるからなのである。
もっと極端な言い方をすれば、「模範解答の完成度」は「解説者の知性」そのものなのだ。
知性の低い解説者が論理不十分な解答を模範解答とした時に、数学の場合は「誤答」だとして間違いなく非難されるのだが、国語の場合は「やさしい解答」だとして許容されてしまう傾向にある。しかしながら音楽や美術といった芸術と同様に、国語学習者が手本とすべきは二流三流の模範解答ではなく一流の模範解答であろう。国語学習者には、巷に溢れる玉石混淆の模範解答群の中から最も正しくそして最も美しい解答を見抜く批判的知性及び審美眼が必要とされているのである。
現在提示されている国語の模範解答には理系で所謂「再現性」がないのであり、「国語とは受験科目として未だ完成されていない科目である」ということもできよう。若者の人生を左右しうる受験科目の一つにおけるこの曖昧模糊とした現状は憂うべきものであり、これをどうにか打破して国語という受験科目の世界に金字塔を打ち建てようというのが本講座の目的である。その目的を果たすため本講座においては国語という科目に新たに自然科学的発想を導入し、「誰がいつ解いても一つの答に定まる」ためのルール(=古賀の現代文公式)に基づき講師が模範解答を作成する過程を提示する。すなわち理系出身者である古賀が「論理的に」導いた模範解答及びその極めて詳細な作成過程を惜しげもなく提示するということであり、受講生は古賀の思考過程を追体験することになるだろう。まるで数式を必然性に基づき変形していくような古賀流の答案作成手順を皆で一つ一つ検証しながら、他の模範解答や解説方法との截然たる違いを十分に堪能してもらいたい。
→ 現在、ライブ講義を停止して講義内容の全データ化を進めております。

(mp4ファイル・3.36GB・再生時間2時間52分・5000円・プリント付き)
STEP1
(1)古文単語 〜広がる語意の中心に何がある〜 【詳説および例文演習付き】
「あそぶ・ののしる」/「いとほし」とは誰のことか /「かなし」とチョウチンアンコウ /
「いみじ・ゆゆし・いたし」と日本的感性
(2)古文文法 〜まずは付属語〜
「まとめプリント」「暗記用プリント」進呈。(→詳説は別動画にて)
(3)古文常識 〜共通教養〜
STEP2
(1)省略語句の補足 〜日本語の特徴〜
東大の問う「こよなし」
(※)敬語について 〜語源と語感と語の歴史〜 【詳説および例文演習付き】
「たまふ」と川端康成 /「たてまつる」と天孫降臨 /「はべり・さぶらふ」の違いとサムライ
(2)多義語の語義決定 〜丸暗記礼賛の大敗北〜
「あはれ」と「をかし」とチンパンジー /東大の問う「あやし」/ 一意性と同値性

(mp4ファイル・5.72GB・再生時間5時間06分・9000円・プリント付き)
はじめに
漢文はなぜ国語なのか/漢字の成立(六書)/言葉は世界の切り口だ/音楽と絵画の融合およびそれに伴う困難/
文字とレコード/ひらがなとカタカナの使い分け/訓読の歴史と林羅山/訓読みはご先祖からのプレゼント
/カンニングペーパーを見て解いて君は満足か/漢文を学ぶことは先人の苦闘を追体験すること
STEP1
(1)漢字(字源と語感と字訓) 〜無知の無知〜
「水」はwater? /「長」はlong?/「魅」はbeautiful?/「牧場」は何をする場?/「貿易」は「易しい」?/
「革命」はライダー?/「象る」はelephantっぽくなる?/「微」と「徴」
(※)漢文の特徴とは
(※)知らない訓読みを推理するコツ【詳説と例文演習付き】
分析と綜合/連文の利用
(2)漢文文法(句法と助字) 〜帰納と演繹(漢和辞典の読み方)〜
「将」「且」は果たして同じか【詳説と例文演習付き】 /「又・亦・復・還」【詳説と例文演習付き】 /
「以」にまつわるテクニックと本質【詳説と例文演習付き】
(※)「置き字」は「読まない」のか? 【詳説と例文演習付き】
字源で捉える「於・于・乎」と荻生徂徠/「而」と中江藤樹/字源で捉える「也・矣・焉・兮」
(3)漢文常識 〜共通教養〜
STEP2
古文学習の戦略参照